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アリスロンド劇団の日常はいつも通りの時間が流れていた。

演技の練習をして、リハーサルで研磨しあって、定期的に公演を行い。
アリスロンド夫妻がいた頃よりも規模が小さくなりつつも、看板女優のリースも団長クーヴェも充実した日々を送っていた。


しかし、現実は非情だった。


クーヴェが悪魔の奇襲により「感染」。

首元に植え付けられたクリスタルに蝕まれ、いつかは衰弱して死んでいくだろう。
絶対にそんなの認めない。リースは兄を救うため立ち上がる。
クリスタルを埋めて、舞台用のものでは無い「戦うための炎の剣」を手に取るのだった

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【ep1:狂っていく歯車】

奇襲から数日、劇場に訪れていたラゼルは病み上がりにも関わらず無茶をして破損部分の修理をしているゲルウォンと鉢合わせる。
「俺たちはここが居場所だ」
過去に起きた悪魔のエンドラ市襲撃を、自分の過去と織り交ぜながら語るゲルウォン。
救いであり居場所でもあるここを、彼らは全力で守りたかった。
時同じくしてエクソシストの拠点。
併設された研究施設の病室で、クーヴェは退院手続きを済ませ隊長であるディルツ・シュタイナーと会話をしていた。

「あんたの妹がクリスタルを埋めると言った時に覗かせたのは狂気だ。1人で抱えていたらいつか崩れる。悪魔は心の弱った人間を狙いやすい」

クーヴェは既に決意を固めていた。
みんなが良くない方向に向かわないように自分に出来ることは舵を取り、狂った羅針盤に頼らず自分で仕切っていくことだと。

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ある日、劇団員がアリスロンド劇団の使う劇場の舞台の上に集められた。

クーヴェ以外は全員が自らクリスタルを埋めた、悪魔との戦闘が可能なメンバーだった。
 

リースは象徴 軍旗の役目であり市民の士気にもなる。剣を手に戦う姫騎士として。
◇クーヴェは舵手 乱れた方に向かわない為に軌道を正し道を作る。支援に徹する軍師として。

 

泣き寝入りなんて安っぽい舞台はお断り。
悪魔から街を守る。
アリスロンド劇団、反撃開始!

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